持株会の奨励金率が高い企業ランキング

本記事の情報はすべて各社の公式採用ページ・公式サイト・公式サステナビリティレポートから取得し、取得日時点の原文を確認しています。各制度の出典リンクを掲載しているので、応募前に必ず最新の公式情報をご確認ください。

求人票の福利厚生欄にある「従業員持株会」は、多くの人が読み飛ばす一行です。しかしこの制度には、会社によって20倍の差がつく数字が隠れています。奨励金率です。

当データベースに収録している802社のうち、持株会に関する制度を公式に確認できた企業は358社。そのうち奨励金率をパーセンテージまで公開しているのは71にとどまります。この記事では、その71社を率の高い順に並べ、数字の読み方を整理します。

「奨励金率」は加入率ではありません

最初に、この記事で扱う数字の定義をはっきりさせておきます。

奨励金率とは、社員が拠出した金額に対して、会社がどれだけ上乗せして拠出してくれるかの割合です。奨励金率10%の会社で毎月10,000円を拠出すると、会社が1,000円を上乗せし、合計11,000円分の自社株が買われます。

よく混同されるのが加入率(社員のうち何%が持株会に入っているか)ですが、これはまったく別の指標です。加入率が高くても奨励金率が低い会社もあれば、その逆もあります。本記事のランキングはすべて奨励金率であり、加入率は扱っていません。

もうひとつ紛らわしいのが財形貯蓄の奨励金です。持株会と財形貯蓄の両方に奨励金を出している企業は少なくありませんが、率は別々に設定されています。たとえば**ソフトバンク**は持株会の奨励金が拠出額の10%であるのに対し、財形貯蓄(一般・年金・住宅)の奨励金は年1回・積立額の3%(上限9,000円)と、まったく違う設計です。(出典)

持株会 奨励金率ランキング

DB自動生成 持株会・奨励金 上位15社(全71社中) 802社のデータから自動集計
順位企業奨励金率制度・条件
1 サイボウズ 100% 従業員持株会 奨励金率100%。拠出は月給の10%が上限
2 フィックスターズ 100% 社員持株会 拠出額に対する奨励金率100%
3 スズキ 100% 従業員持株制度(奨励金付与率100%) 奨励金付与率100%(上限額は公式非公開)
4 良品計画 50% 社員持株会 購入額に対する奨励金率50%
5 HENNGE 35% 従業員持株会(ESOP) 採用サイトに「a 35% incentive based on their ESOP contribution」「invest up to 10% of salary」と記載。人的資本資料にも「従業員持ち株会制度(35%奨励金)」と記載。amount_value は奨励金率。
6 マネーフォワード 30% 従業員持株会 奨励金率30%
7 SBIホールディングス 30% 従業員持株会 従業員持株会加入者
8 SBI証券 30% 従業員持株会制度 拠出金の30%を奨励金付与
9 チームスピリット 30% 従業員持株会 奨励金率は期間により変動の可能性があると明記。
10 船井総合研究所 25% 従業員持株会制度 公式ページ記載の奨励金率。参加単位は1口1,000円から。
11 朝日インテック 20% 社員持株会 会社補助(奨励金)率20%
12 アバントグループ 20% 従業員持株会 「拠出金に対して20%の奨励金が支給されます」と明記。子会社の株式会社ディーバの制度。
13 千葉銀行 20% 従業員持株会/財形貯蓄/企業年金 持株会奨励金を従来の5%から20%へ拡充(サステナビリティレポート2025年3月期)。
14 コムシスホールディングス 20% 持株会制度 原典表記「拠出額の20%が奨励金として付与され、社員の資産形成をサポート」。給与からの積立により毎月自社株を取得する制度。
15 メディアファイブ 20% 社員持株会 公式記載は「社員持株会(拠出金の20%奨励金上乗せ)」。

持株会・奨励金の全71社ランキングを見る →

この表はデータベースから自動生成しており、収録企業が増えるたびに順位も自動で更新されます。

率の分布 — 実際には「10%」に企業が集中している

率を公開している71社を率ごとに数えると(2026年8月4日時点の集計)、分布はきれいな山になりません。

奨励金率社数
100%2社
50%1社
30%2社
20%3社
15%2社
12%1社
10%25社
8%以下7社

10%に25社が集中しているのが最大の特徴です。日立製作所村田製作所野村證券ニトリ野村総合研究所イオンAGCダイキン工業日本通運IHI荏原製作所カネカ住友ゴム工業など、業種を問わず10%という数字が並びます。逆に言えば、10%を超えている会社は、それだけで意図的に手厚くしていると読めます。

下限側は5%で、キーエンスパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、エディオン東武鉄道の4社。上限のサイボウズスズキとは20倍の開きがあります。

奨励金率が突出して高い企業

サイボウズ — 拠出額の100%を会社が上乗せ

グループウェアの開発会社。毎月の給与控除で自社株を購入でき、会社から拠出額の100%の奨励金が支給されます。拠出できるのは月給の10%が上限です。(出典)

月給30万円の社員が上限いっぱいの3万円を拠出すると、会社が同額の3万円を上乗せし、毎月6万円分の自社株が積み上がる計算になります。持株会という制度の中では最も踏み込んだ設計のひとつです。

スズキ — 奨励金付与率100%を制度名に掲げる

四輪車・二輪車メーカー。制度の公式名称が「従業員持株制度(奨励金付与率100%)」で、持株会加入の従業員に対し、拠出額に対して付与率100%で奨励金を支給すると明記されています。拠出の上限額は公式には公開されていません。(出典)

率を制度名そのものに入れている例は、当データベースの収録企業の中でも他にありません。

良品計画 — 購入額の50%を上乗せ、ESOPも併設

「無印良品」を運営する良品計画は、持株会での株式購入額の50%を会社が上乗せ拠出します。あわせて株式給付信託(ESOP)も併設しています。(出典)

同社は店舗運営の現場社員に家賃の7割程度を支給する家賃補助制度も公開しており、現場で働く社員への還元を制度として設計している会社です。

千葉銀行 — 5%から20%へ引き上げた記録が残っている

地方銀行。公式募集要項に財形貯蓄・持株会・企業年金が記載されており、サステナビリティレポートには持株会の奨励金を従来の5%から20%へ拡充したことが記載されています(2025年3月期)。(出典)

奨励金率の「変更前」まで公開している企業はほとんどありません。制度が動いた事実が追える、めずらしいケースです。

奨励金の存在は書いてあるが、率が非公開の企業

358社が持株会に触れている一方で、率まで書いている企業は71社。つまり大多数は「持株会あり」で止まっています。中には、奨励金があること自体は明記しているのに率だけ伏せている企業もあります。

制度名に「奨励金」の語まで入っているのに率が書かれていない、というのは求職者にとってはもどかしい状態です。これらの企業を検討するなら、オファー面談で「持株会の奨励金は拠出額の何%ですか」と率を単位付きで聞くのが確実です。

数字を見るときの三つの注意点

拠出上限とセットで見る。 率が高くても拠出できる金額が小さければ、実際に上乗せされる額は限られます。サイボウズは月給の10%が上限、ダイキン工業は月額基本賃金の20%が拠出上限と公開しています。(出典)一方でスズキのように、率は公開していても上限額は非公開という企業もあります。

受け取るのは現金ではなく自社株である。 奨励金は自社株の購入に充てられるため、住宅手当や食事補助のように毎月そのまま生活費になるものではありません。株価の変動を受けます。

財形貯蓄・つみたてNISAの奨励金は別枠。 野村総合研究所は持株会の奨励金10%に加え、職場つみたてNISAにも申込金額の5%の奨励金を付与しています。(出典)日本製紙は持株会が15%上乗せ、財形貯蓄が積立額の10%です。(出典)資産形成支援の手厚さを比べるなら、持株会だけでなくこれらも並べて見る必要があります。

よくある質問

Q. 奨励金率が高い会社は、その分だけ得なのですか? A. 拠出額あたりの上乗せという意味では、率が高いほど有利です。ただし受け取るのは自社株なので、金額が確定している住宅手当や食事補助とは性質が違います。拠出上限額と合わせて、毎月いくら上乗せされるのかを金額に直して比較してください。

Q. 中途入社でも持株会に入れますか? A. 当データベースで確認できた範囲では、対象を「持株会加入者」「全社員」とだけ記載している企業が大半で、新卒・中途の区別を公式に書いている例はほとんどありません。加入資格(勤続要件の有無)は募集要項に書かれていないことが多いため、個別に確認が必要です。

Q. この情報はいつ時点のものですか? A. 各社の公式ページで確認した情報をデータベースに記録し、本記事は2026年8月4日版をもとに執筆しています。制度は改定されることがあるため、応募時は出典リンク先の最新情報をご確認ください。


運営情報: 福利厚生JPは、企業の公式公開情報のみを情報源とする福利厚生データベースです。本記事は編集部がデータベース(2026年8月4日版)をもとに執筆し、全出典を人手で確認しています。制度内容の誤りを見つけた場合は[お問い合わせ]よりご連絡ください。確認の上、迅速に修正します。

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