持株会の奨励金率は、業種で決まっているのか

本記事の数字はすべて各社の公式採用ページ・公式サイトに記載されている奨励金率から集計しています。率の出典リンクは各企業ページに掲載しています。

求人票に「従業員持株会(奨励金10%)」と書いてあったとして、その10%が多いのか少ないのか。判断しようとして全体の平均を調べても、あまり役に立ちません。業種によって水準がまるで違うからです。

そこで、奨励金率をパーセンテージまで公式に公開している企業を、業種ごとに分けて集計しました。

結果を先に書きます。2026年8月26日時点で、銀行・証券・保険の中央値は30%、IT・インターネットは10%でした。同じ「奨励金あり」でも、業種が変われば真ん中の水準が3倍違います。「10%」という数字は、IT企業ならちょうど真ん中、金融なら真ん中よりかなり下、ということになります。

(以下の表はデータベースから自動更新されるため、企業を追加すると数字が変わります。上の2つの数値は本記事の最終更新日時点のものです。)

業種別の中央値

業種中央値その業種でいちばん高い会社率の幅率を公開
自動車・輸送機器26.82%スズキ株式会社100%10%〜100%6社
銀行・証券・保険20%株式会社第一ライフグループ(旧・第一生命ホールディングス株式会社)91%10%〜91%9社
外食・フードサービス20%株式会社王将フードサービス20%10%〜20%3社
電力・ガス・通信12%INPEX59%10%〜59%3社
IT・インターネット10%サイボウズ株式会社100%5%〜100%24社
電機・精密機器10%イビデン77%5%〜77%9社
素材・化学・鉄鋼10%日本製紙株式会社15%5%〜15%8社
小売・流通10%株式会社良品計画50%5%〜50%8社
機械・重工10%株式会社タダノ86%10%〜86%6社
建設・住宅10%コムシスホールディングス株式会社20%10%〜20%5社
マスコミ・出版・広告10%株式会社アドウェイズ10%8%〜10%4社
不動産10%ヒューリック株式会社10%10%〜10%4社
鉄道・航空・運輸10%日本通運株式会社10%5%〜10%4社
食品・飲料10%株式会社ニチレイ10%10%〜10%3社

対象は奨励金率をパーセンテージまで公式に公開している96社。 1社が複数の率を公開している場合は高いほうを採用しています。 収録が3社に満たない業種は、中央値が数字として意味を持たないため載せていません。

平均ではなく中央値を使っています。奨励金率は100%のように突出した会社が少数あり、平均を取るとその数社に引っ張られて実態からずれます。中央値なら「ちょうど真ん中の会社が何%か」がそのまま読めます。

この表の読み方

縦に比べるのではなく、横に見る

この表は「どの業種が得か」を示すものではありません。使い方はひとつで、自分が見ている会社の業種の行だけを見て、その会社の率が真ん中より上か下かを確かめることです。業種をまたいで「うちの業界は低い」と落ち込むのは、あまり意味がありません。持株会の設計は、株式の流動性や株主構成といった会社ごとの事情に強く左右されるからです。

中央値が高い業種ほど手厚い、とは限らない

母集団は「率をパーセンテージまで公式に公開している会社」だけです。制度があっても率を書いていない会社は、この集計に入っていません。したがってこの表は、その業種の実態そのものではなく、その業種で率まで公開している会社の水準を表しています。公開する会社が少ない業種ほど、数字が偏りやすくなります。

3社未満の業種は載せていません

1社や2社しかない業種の中央値は、その1社の数字にすぎません。読む側が「この業種はこう」と受け取ってしまうため、集計から外しています。

率だけでは決まらない、3つのこと

奨励金率が高くても、実際に受け取れる額はそこだけでは決まりません。求人票を見るときは、次の3点もあわせて確認してください。

  1. 拠出の上限 — 「基本給の◯%まで」「月◯万円まで」といった上限があります。率が高くても上限が低ければ、上乗せされる金額そのものは小さくなります
  2. 奨励金の扱い — 奨励金の税務上の取り扱いや支給のタイミングは会社ごとに案内が異なります。勤務先の持株会規約でご確認ください
  3. 引き出しのルール — 一定の口数に達するまで引き出せない、退会時に売却が必要など、会社ごとに条件があります

具体的な社名で見る

率の高い順に並べた一覧は持株会の奨励金率が高い企業ランキングに、月1万円を積み立てた場合の上乗せ額を円に換算したものは持株会の奨励金だけで、年いくら得かにあります。軸そのものは持株会・奨励金からご覧いただけます。

持株会について、もっと知る


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