IT・Web業界の住宅手当を条件で比べる

本記事の情報はすべて各社の公式採用ページ・公式サイト・公式プレスリリースから取得し、取得日時点の原文を確認しています。各制度の出典リンクを制度ごとに掲載しているので、応募前に必ず最新の公式情報をご確認ください。

IT・Web業界の住宅手当を調べていると、金額そのものより先に条件のかたちが目につきます。「オフィスの最寄駅から2駅以内」「渋谷オフィスから5km圏内」「勤続5年を超えたらどこに住んでいてもOK」——支給額が同じ3万円でも、誰がもらえるかがまるで違います。

この記事では、まず全業種の住宅補助ランキングを掲載したうえで、IT・Web企業だけを取り出して条件の設計を比較します。当データベースにはIT・Web業種の企業を54社収録しており、そのうち34社で住宅関連の制度が公式に確認できました(2026年8月時点・当データベースの調査範囲)。

住宅補助ランキング(全業種・金額が公式確定している企業)

DB自動生成 住宅手当・家賃補助 上位12社(全94社中) 802社のデータから自動集計
順位企業月額換算制度・条件
1 AGC 15万円/月 年換算 180万円 借上社宅制度(会社負担上限) 45歳未満の従業員
2 三菱地所 13.5万円/月 年換算 162万円 借上社宅制度(会社負担上限) 1〜2年目は女性社員(男性は高輪HOUSE)、3〜5年目は男女とも
3 日本たばこ産業 12.6万円/月 年換算 151.2万円 借上社宅制度(会社負担上限) 対象従業員(地域・年齢等の条件あり)
4 コニカミノルタ 11万円/月 年換算 132万円 借り上げ社宅制度(会社負担上限) キャリア入社者・転勤者。適用条件は通勤時間が東京圏で片道2時間以上、その他地域で1.5時間以上
5 JFEホールディングス 10万円/月 年換算 120万円 借上社宅制度(会社負担上限) 結婚した社員
6 JFEスチール 10万円/月 年換算 120万円 借上社宅制度(会社負担上限) 入居条件あり。利用期間上限10年
7 ノエビアホールディングス 10万円/月 年換算 120万円 転勤手当 転勤者
8 エターナルホスピタリティグループ(旧商号:鳥貴族ホールディングス) 10万円/月 年換算 120万円 単身赴任手当 単身赴任者(詳細な対象要件の記載は確認できなかった)
9 大和総研 9.1万円/月 年換算 109.2万円 住宅補助(家賃補助・住宅手当) 首都圏勤務者(金額は職位により異なる)
10 東鉄工業 9万円/月 年換算 108万円 単身寮・社宅(家賃補助) + 住宅取得援助金(会社負担上限) 自宅から通勤ができない勤務先に配属となった社員
11 アパホテル 8万円/月 年換算 96万円 住宅手当 + 住宅手当(最大5万円)(会社負担上限) 新卒採用(ホテル部門・不動産部門)
12 ディスコ 8万円/月 年換算 96万円 住勤手当 + 大森手当 勤務地ごとに原則一律支給

年換算は月額を12倍しただけの数字です(推計はしていません)。賞与月に加算される制度や、上限額に届かない月がある制度もあるため、実際の受取額は各社の規程によります。

住宅手当・家賃補助の全94社ランキングを見る →

当データベースで住宅関連制度を確認できた企業は564社、そのうち金額まで公式に確認できたのが94です。上位は不動産・素材・食品などの大手が占めており、IT・Web企業の金額は必ずしも上位に来ません。IT・Web業界の特徴は金額の大きさではなく、条件の設計にあります

条件のかたち1: 「オフィスの近くに住む」型

IT・Web企業の住宅手当でいちばん目立つのが、居住地をオフィスの近くに限定するタイプです。ただし「近く」の定義が会社ごとに違います。

**サイバーエージェント**の「2駅ルール」は、勤務オフィスの最寄駅から各線2駅圏内に住む正社員に月3万円。駅を基準にしているため、路線図の見え方がそのまま支給範囲になります。(出典)

Sansanの「H2O(Home to Office)」は、最寄り駅が本社近隣の指定エリアである全社員に月3万円。指定エリアは渋谷駅から2駅以内、ただしJR埼京線・湘南新宿ラインを除く19駅と、除外路線まで公式に定義されています。(出典)

**MIXI**は駅ではなく距離基準で、渋谷オフィスから5km圏内に居住する新卒入社社員に月3万円を入社後3年間。(出典)

フリー会社から半径2km圏内に居住した場合に住宅手当を支給しています(金額は公式非公開)。(出典)

マネーフォワードの「近隣住宅手当」は所属オフィス近隣に居住する従業員に月最大2万円。あわせて対象範囲内へ転居した場合の「近隣引越祝金」10万円があります。(出典)

同じ「近隣」でも、駅数・直線距離・指定駅リストと基準がばらばらです。オファーを比べるときは、自分が住みたいエリアがその定義に入るかを地図と路線図で確認してください。

条件のかたち2: 「どこに住んでもOK」型

近隣要件を外す設計もあります。サイバーエージェントの「どこでもルール」は、勤続満5年を経過した正社員には、居住地を問わず月5万円。2駅ルールの上位版として公式に位置づけられています。(出典)

近隣型が「通勤の負担を下げる」設計だとすれば、居住地不問型は長く働いた人の住まいの自由度を上げる設計です。同じ会社のなかに両方が置かれている点が、この制度のわかりやすいところです。

条件のかたち3: 「リモート前提」型

リモートワークを前提に、通勤手当と住宅補助を一本の枠にまとめている例があります。

**さくらインターネット**の住宅補助費は、通勤費用が月25,000円以下の場合に、25,000円から通勤費用を差し引いた額を支給する設計です。フルリモート勤務者は通勤手当が支給されない代わりに満額25,000円。ただし出社時の交通費や出張時の自宅〜所属拠点間の費用はこの補助から拠出することが明記されています。(出典)

逆向きのかたちもあります。Sansanは住宅手当のH2Oに加えて、**週4回以上出社した場合に週4,000円(月16,000円相当)の出社手当「オフィス+」**を設けています。(出典)

条件のかたち4: 「年次・年齢で終わる」型

期限つきの制度も多く、何年目まで支給されるかが実額以上に効いてきます。

企業月額支給期間・年齢の条件
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)35,000円賃貸住宅に居住する独身世帯主。修士卒4年間/学士卒6年間/高専本科卒8年間
BIPROGY30,000円27歳以下で独身寮に入寮しておらず、自名義または配偶者名義の住居に居住
ぐるなび30,000円新卒入社1〜4年目3万円、5年目2万円、6年目1万円(6年間)
MIXI30,000円渋谷オフィスから5km圏内に居住する新卒入社社員、入社後3年間

出典: CTCBIPROGYぐるなびMIXI

ぐるなびのように年次が上がるにつれて減額していく設計を公式に明記している企業もあります。1〜4年目は月3万円、5年目は月2万円、6年目は月1万円で終了、という階段です。

なおCTCには家賃補助とは別に、転居時1回限りの「自立支援一時金50万円」が明記されています。初期費用と月々の補助は別枠で見る必要があります。

条件のかたち5: 「初任給に含まれる」型

住宅手当が独立した手当ではなく、初任給の内訳として提示されるケースもあります。Skyは2027年卒募集要項の初任給欄に「住宅手当25,000円(世帯主の場合31,500円)を含む」と明記しています(大学卒4年制 月給325,000円、修士343,000円等)。会社都合による転勤時は、住宅手当に代えて借り上げ社宅が提供されます。(出典)

このタイプは提示された初任給がすでに住宅手当込みなので、他社と月給を並べるときに二重に足さないよう注意が必要です。

借上社宅型: 手当ではなく「会社名義の契約」にする

住宅手当と並んでIT・Web企業に多いのが、個人の賃貸契約を会社名義に切り替える借上社宅型です。各社が公式ページで仕組みを説明しています。

借上社宅は物件の選択自由度が下がる代わりに、家賃分が給与として扱われないぶん手取りベースで有利になりうる設計です。「手当か、借上か」も比較軸になります

寮と手当は同時にはもらえないことがある

BIPROGYは、独身寮(使用料40,000円/月、水道光熱費は個人負担、27歳以下で実家から本社まで通勤2時間以上)と、住宅手当(30,000円/月、27歳以下で独身寮に入寮していないこと)を明確に分けています。つまり寮に入るか手当をもらうかの二択です。(出典)

オービック(住宅手当は入社7年目の終わりまで加算、独身寮あり)、楽天グループ(新卒入社者向けの社員寮 Residence, Mizonokuchi)、富士ソフト(独身寮1R/1Kタイプと家族社宅2DKタイプ)、日立ソリューションズ(独身寮・社宅制度と住宅手当)も、制度の存在を公式に明記しています(いずれも金額非公開)。

金額の出し方が特殊な企業

日立製作所は、寮の提供または住宅手当として年間最大60万円(管理職を除く)と、月額ではなく年額で公表しています。(出典) **SmartHR**は恒常的な家賃補助・社宅の記載はなく、新卒社員が通勤時間2時間超から1時間以内となる場所へ転居した場合に10万円を支給する転居支援を掲載しています。(出典) **NTTデータ**はカフェテリアポイントの使途として「住宅補助費」「住宅ローン返済補助」「住宅関連手数料補助」を選択する形式で、一律の住宅手当としての金額は公開されていません。(出典)

住宅関連制度が公式ページで確認できない企業もある

IT・Web業界では、公式採用ページの福利厚生欄に住宅関連制度の記載がない企業も少なくありません。当データベースの調査範囲では、収録しているIT・Web企業54社のうち20社が該当します(2026年8月時点)。各社の状況は企業ページに個別に記載しています。

ただし、記載がないことは「制度が存在しない」という意味ではありません。 手当を廃止して基本給に統合している設計や、社内規程にとどめていて対外的に公開していないケースもあります。当データベースが記録できるのは「公式ページに書かれているかどうか」だけです。

そのうえで言えるのは、これは制度の優劣ではなく、住宅以外に配分しているという配分の違いだということです。これらの企業についても、当データベースには食事補助・育児支援・リモートワーク手当など別カテゴリの制度を収録しています。「福利厚生が手厚い」と「家賃補助がある」は別の話という点は、IT・Web業界でとくに当てはまります。

オファーを比べるときの確認ポイント

条件のかたちが多様なぶん、確認すべき項目もはっきりしています。面接やオファー面談では次の5点を聞いてください。

  1. 対象は誰か — 新卒のみか、中途を含む正社員全員か(MIXIは新卒入社社員、Sansanは全社員、CTCは独身世帯主)
  2. いつまでもらえるか — 年次・年齢の上限(BIPROGYは27歳以下、CTCは学歴により4〜8年、MIXIは3年)
  3. 住む場所の条件は何基準か — 駅数か、直線距離か、指定駅リストか
  4. 寮・社宅と併給できるか — BIPROGYのように排他になる設計があります
  5. 初任給に含まれていないか — Skyのように月給の内訳として提示される場合があります

よくある質問

Q. 住宅手当と借上社宅はどちらが得? A. 一般に借上社宅(会社名義契約)は家賃分が給与扱いにならないため、同額なら手取りベースで有利になりうる設計です。クックパッドは公式ページで、法人名義契約により社会保険料・所得税が下がり手取りが増える仕組みだと説明しています。ただし物件の選択自由度は下がります。

Q. 中途入社でも住宅手当はもらえる? A. 企業によります。サイバーエージェントの2駅ルール・どこでもルールは正社員が対象、SansanのH2Oは全社員が対象と公式に記載されています。一方、MIXIの住宅手当は新卒入社社員、ぐるなびは新卒入社後6年間が対象で、中途入社者への適用は公式ページに記載がありません。

Q. フルリモートでも住宅補助はある? A. さくらインターネットは、フルリモート勤務者に通勤手当を支給しない代わりに住宅補助25,000円を支給すると明記しています。ただし出社時の交通費はこの補助から拠出する設計です。

Q. この情報はいつ時点のもの? A. 各社の公式ページを取得した時点の原文にもとづいています。制度は改定されることがあるため、応募時は出典リンク先の最新情報をご確認ください。


運営情報: 福利厚生JPは、企業の公式公開情報のみを情報源とする福利厚生データベースです。本記事は編集部がデータベースをもとに執筆し、全出典を人手で確認しています。制度内容の誤りを見つけた場合は[お問い合わせ]よりご連絡ください。確認の上、迅速に修正します。

業界から、転職の相談先を選ぶPR

福利厚生は会社ごとに大きく違うので、その業界に詳しい相談先のほうが具体的な話ができます。 業界を選ぶと、その分野の相談先を4つ並べます。すべて無料で相談できるものだけを載せています。

PR 掲載順はその業界との相性で決めています。報酬額では並べ替えていません。 当サイトは各社と提携しており、リンク経由の申込で報酬を受け取る場合があります。

ITプロパートナーズ

エンジニア・デザイナー向け/週2〜3日の案件

週2〜3日で働くという選択肢が、案件の数だけあります

こんな方に

  • 独立や副業を始めたいITエンジニア・デザイナーの方
  • 稼働日数を減らして、自分の事業に時間を使いたい方

気になるところ

  • 紹介されるのは正社員求人ではなくフリーランス案件です

費用無料の登録、または面談

無料登録して、週2〜3日の案件を紹介してもらう

社内SE転職ナビ

事業会社の社内SEを目指す人向け

受託から事業会社へ。社内SEだけを扱う転職サービスです

こんな方に

  • SIerや受託開発から事業会社側に移りたい方
  • 納期に追われる働き方から離れたい方

気になるところ

  • 社内SE・情報システム職に特化しているため、それ以外の職種は対象外です

費用無料の面談

無料面談で、社内SEの求人を紹介してもらう

レバテックダイレクト

IT専門職特化のスカウト型転職サイト

応募するのではなく、企業から声がかかるのを待つ形です

こんな方に

  • ITエンジニア・デザイナーで、自分の市場価値を知りたい方
  • 在職中で、応募活動に時間を割けない方

気になるところ

  • IT専門職向けのため、未経験からのIT転職には向きません

費用無料の会員登録(公式サイト表記に基づく)

スカウトを受け取る設定をする

TechGo(テックゴー)

ITエンジニアのハイクラス転職

年収交渉まで任せたい、経験を積んだエンジニアへ

こんな方に

  • 実務経験があり、年収を明確に上げたいエンジニアの方
  • 条件交渉を自分でやりたくない方

気になるところ

  • ITエンジニア職に特化しているため、それ以外の職種は対象外です

費用無料の面談

無料面談で、年収がいくら上がるか聞いてみる

掲載しているのは、公式サイトでサービス内容を確認できた事業者のみです。 条件は変わることがあるため、申し込み前に各社の公式サイトで最新の内容をご確認ください。

← 記事一覧に戻る